かつてのイタリアサッカーは守備に重きを置いた戦術により少ない失点数で勝つことを大切にしていた。
フランコ・バレージ、パウロ・マルディーニ、アレッサンドロ・ネスタ、ファビオ・カンナヴァーロ
引退した今でもイタリアのレジェンドとしてサッカー界に名を刻まれている選手が数々いる。
現役選手でもバルザーリやキエッリーニ、ボヌッチなど長らくイタリア代表としてアッズーリ【サッカーイタリア代表】を支えてきた選手がいる。
サッカーではあまり目立たない「ディフェンダー」というポジションで未だに活躍した選手として名を残し、今でも現役選手として第一線で活躍しているディフェンダーがイタリアには多くいる。
それだけイタリアサッカーで「守備」というポジションは重要な役職でイタリア=守備というイメージ根強くが残っている。
しかし、現在のイタリア代表にはかつてのような1対1に強くなかなか割って入ることのできない組織的な守備のイメージは薄れた。
その原因の一つは有望な若手CBが台頭してこないことだろう。実際に現在のイタリア代表DFを思い返してもパッと思いつくような象徴的な選手はいない。よっぽど、イタリアサッカーのファンでない限り、思いつくのは30歳を超えたバルザーリやキエッリーニ、ボヌッチなどのベテラン選手たちだろう。
そんな中、イタリア代表に新たな盾の光が見えてきた。そう今回ご紹介するのはイタリア代表期待の若手センターバック、アレッサンドロ・バストーニだ。
🏥 | REPORT
Alessandro #Bastoni, a causa di un trauma contusivo al piede sinistro nella gara di sabato contro il Verona, è rientrato a Milano dal ritiro della nazionale Under 21
Per il giocatore in programma un lavoro personalizzato per questa settimana pic.twitter.com/rvUrJqE6FM
— Inter (@Inter) November 12, 2019
現在、20歳ながらイタリアの名門インテルに所属し、コンテ監督の信頼を完全につかんでいる。
インテルのセンターバックといえば、ゴディン、デフライ、シュクリニアルなど代表級の選手たちが揃っている。そんあ熾烈なポジション争いに割って入ったのが20歳のバストーニだ。
突如として現れたイタリアの若きセンターバックに迫る。
バストーニの基本情報
名前【Name】 | アレッサンドロ・バストーニ
【Alessandro Bastoni】 |
出身地 | イタリア【カザルマッジョーレ】 |
生年月日 | 1999年4月13日【21歳】 |
身長・体重 | 193㎝・75㎏ |
在籍チーム | インテル・ミラノ |
背番号 | 95番 |
ポジション | CB【センターバック】 |
利き足 | 右足 |
プロキャリア
2016年:当時アタランタのユース選手としてコッパ・イタリアの4回戦、ペスカーラ戦でトップチ ームデビューを果たす。
2017年:現在所属のインテルに移籍。しかし2019年6月までのレンタル移籍で再びアタランタでプレーする。
2018年:アタランタへのレンタル移籍中にパルマへ再びレンタル移籍。
2019年:2019/2020シーズン開幕前にレンタルバックでインテルに復帰。
2019年9月:サンプドリア戦で先発出場しインテルでの公式戦デビューを果たす。
成績
2016/2017 アタランタ 4試合出場
2017/2018 アタランタ 5試合出場
2018/2019 パルマ 24試合出場
2019/2020 インテル 16試合出場
15歳からイタリアU-15代表に選らばれ各年代の代表でプレーしてきた。
また2017年1月22日にセリエA、サンプドリア戦で同じ1999年生まれのフィリッポ・メレゴーニとともに同じピッチに立ったが、同じ1999年生まれの2選手が同時に先発起用されたのは、ヨーロッパ5大リーグで初めてだった。
バストーニのプレースタイル~守備から攻撃までつなぐ、現代的DFの象徴~
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— インテル・ミラノ (@Inter_jp) May 4, 2020
バストーニの特徴はなんと言ってもセンターバックとは思えないほどの”ボールコントロール力”だ。トラップ、ドリブル、パスなどを攻撃選手並み巧みなボールコントロール力でこなすため、センターバックの選手であることを忘れそうになるくらいだ。
さらにセンターバックでは貴重な左利きの選手ということで、ビルドアップ時の貢献は目を見張るものがある。最終ラインから一発で味方の選手に針を通すようなパスをすれば、時には自ら持ち上がって相手を引き付けてからパスを出すことも可能だ。
守備力だけでなく攻撃面での貢献が重要となる現代的センターバックの象徴ともいえる選手だ。
あまりの攻撃センスに、守備力を忘れそうになるが守備能力もしっかりと備えている。
身長193㎝と恵まれた身体能力を生かし、当たり負けしないフィジカルやゴール前での身体を張った粘り強い守備力も輝るものがある。
また足先の長さを生かしたスライディングも一級品である。
守備能力はもちろん攻撃センスも持ち合わせた20歳の”現代型CB”が、イタリアの新しいディフェンスリーダーになる日はそう遅くはないだろう。
バストーニがかつての「最強の盾」イタリアを復活させてくれることを期待する。
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